6th*secret love.-2-2 #2

10/11
前へ
/35ページ
次へ
「ねねね姉さん!うち大丈夫かな!?ケツちょー冷てぇ!」 沙柚ちゃんが、あたしの胸に飛び込んでくる。 その体は震えている。 「濡れちゃった?寒いよね」 「全然!怒りで燃えてます!」 ……この震えって、怒りなの? 「あいつ、まださやって呼びやがる!どうなんですか!?姉さんだって、嫌がらせされたりしてるでしょ!?」 「嫌がらせ?そんな、別にない……よ?」 ついさっき「ほどよくいじめた」とか言われたけど、あれは嫌がらせではないし。 まず、あたし自身が嫌がらせだと思うどころか、喜ぶ始末だし。 「絶対嘘ですよ!あの無神経な性格なんだから、嫌いなところくらいあるはずです!誰にでもいい顔するとか、思ったこと何でも口に出すとか、そういうの!」 「……沙柚ちゃん?」 怒りに震えているというよりは、無理にでも自分の望む言葉を、あたしから引き出そうとしているかのよう。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

114人が本棚に入れています
本棚に追加