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「お願い……、もっとあの人の嫌なとこ教えて……」
体は相変わらず震えているけれど、明らかにさっきとは違う。
声まで震えてる。
「困るんです。もっともっと嫌なところを知って、うちは早く久我先輩を嫌いになりたい……」
痛いほどに分かった。
これは、“好き”が言えない、愛の告白。
沙柚ちゃんは、真幸くんに恋をしている。
分かっていたことだけど、今、やっと解った。
「ごめん……、沙柚ちゃん」
あたしが聞いてはいけなかった。
苦しい。
「姉さん、なんで泣いてんの？」
あたしと真幸くんが一緒にいるところを見るたびに、どんな想いでいた？
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