6th*secret love.-2-2-2

5/24
前へ
/35ページ
次へ
「それからずっと、うちの名前さやだと思いやがってて!にゃー!」 沙柚ちゃんは、怒りに任せて、右足をダンッ!ダンッ!と地団駄。 「にゃー」って気合いは可愛いのに、やることがワイルド。 「あー……、ごめんなさい」 「う、うん……」 落ち着いた沙柚ちゃんは、「はぁ」と、ため息をついた。 「もうね、本当に嫌だったんです。だってさやえんどうだもん。うち、緑よりも白のが好きなのに」 ……そっち? 「本当にね、すっごい嫌だったんだけど……」 沙柚ちゃんはうつむき、スカートの裾をギュッと握った。 「ちょっと嬉しかったの……。久我先輩があだ名で呼ぶ女の子って、うちだけだったから」 噛みしめるように言い、最後に「ごめんね、姉さん」と付け足した。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

114人が本棚に入れています
本棚に追加