114人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「真幸、部長たち来た」
「げえっ。あー、もう、先輩また後で!」
健太くんのスタートダッシュを皮切りに、真幸くんもグラウンドに走って行った。
あたしが手を振ったのは、見えただろうか。
グラウンドの真幸くんを見るのは楽しいはずなのに、ほんのり憂鬱。
ふたりきりで出かけたわけではないらしいけど、沙柚ちゃんが真幸くんを好きなのは決定打。
真幸くんにツンツンとした態度の彼女を見て、「あまり悪口言わないでほしい」って気持ちに嘘はないけど、本当はどこかで安心してた。
「真幸くんを好きな女の子が増えなくてよかった」って。
沙柚ちゃんとは、普通に仲良くしたかったのに……な。
「はぁ……」
気になる。
最初のコメントを投稿しよう!