6th*secret love.-2-2-2

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そういえば、自転車に乗っている間、あたしたちは何も会話をしなかった。 せっかく真幸くんとふたりきりでいられる、数少ない時間をもったい使い方をしてしまった。 ただでさえ学年が違って、校内では会えないのに。 「はい、今度こそ着きました」 先ほどよりも大分軽やかなブレーキ音で、自転車が止まる。 「ありがとう」 荷台からおりて、お礼を言う。 いつもなら、ここで真幸くんは手を振って帰る。 「…………?」 待っていても、何のアクションも起こさない。 じーっと、あたしを見ているだけ。 「真幸くん?……あっ?」 真幸くんが、自転車からおりる。 そこからは、早かった。 腕を伸ばされ、首の後ろをつかまれ、体ごと引き寄せられた。 「っ……!?え、え!?」 あっという間に、小さなあたしの体は真幸くんの腕のなかに。 嬉しいけど、戸惑う。 抱き締めた理由が、いつもと違うと分かったから。
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