6th*secret love.-2-2-2

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真幸くんの胸の音が聞こえる。 何に……、誰に、ドキドキしてるの? 怖くて、抱き締め返す勇気がない。 「先輩は、本当にちっこい……」 「…………」 どこが?背?背だよね? 全体的なことを言ってるんだよね? 一部分のことじゃないよね? 「真幸くんに比べたら、大体の女子はちっちゃいよ」 背のことを言っているのなら。 「うん……」 あたしを離し、真幸くんは淡い光のように笑った。 「このちっこい体で、いつも色んなこと考え込んでんだろーなと思って」 「――」 心を、読まれたのかと思った。 もしかして、やっぱり、沙柚ちゃんとの話を……? 「真幸くん――」 「先輩」 「――さ、……え?」 「しばらく、図書館には行かないでください」 真幸くんの顔が、「それ以上を聞かないで」と訴えているような気がして、あたしは何も言えなかった。
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