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ついに、あさっては真幸くんと出かける日曜日。
なのに、あたしは朝からテンションが低い。
「はぁ……」
登校中、ため息をつくと、
「吸え!逃げる!」
「えっ!?あっ……」
隣を歩くあやめがよく分からないことで怒ったから、勢いでその通りに吸ってみる。
……むせた。
「けほっ、けほっ」
「ほら、もう、ため息ついたからだ」
「な、なにが?けほっ……」
「幸せ逃げるって言うじゃん。だから、吸い直すの」
そんな、胸を張って言われても。
でも、まぁ、確かに。
ため息なんて、出来ればつきたくはない。
「そういえば、緋芽、最近あの東中ちゃんたちと会ってんの?」
「沙柚ちゃんと汐梨ちゃん?……ううん、全然」
「ふーん」
沙柚ちゃんからは、本屋であの告白をして以来、一度も連絡がない。
あたしに対して、申し訳なく思っているのだろうか。
沙柚ちゃんとは、これからも友達でいたいから、こんなのは嫌なんだけど……。
だからって、気持ちを知った以上、どう接すればいいのかが分からない。
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