6th*secret love.-2-2-2

16/24

114人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「帽子好きなの?」 思えば、一緒にいるときはよく帽子をかぶっている気がする。 夏は、野球帽の率が高かった。 「うん、押し入れにいっぱい入ってます」 「そうなんだ」 前に部屋にお邪魔したときに帽子が見えなかったのは、押し入れにあったからか。 ふたりでメンズ用の服屋さんに行って、帽子のコーナーに。 冬だから、ニット帽が多い。 「お、この黒いやつかっこいい」 真幸くんが、シンプルな黒いニット帽を手に取る。 かぶって、目の前に設置されてある鏡を見る前に、あたしを見た。 「これ、どう?」 ナナメにズレてる。 右目が今にも隠れそう。 そういう詰めの甘いところが可愛くて、つい笑ってしまう。 「ふっ……、ふふ……、ちょっと深すぎかな」 「えー、そうですか?直して」 目の前に鏡があるんだからそれを見れば一番簡単なのに、真幸くんはあたしの前で屈んだ。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

114人が本棚に入れています
本棚に追加