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「せーんぱーい、帰ろ」
部活も終わり、真幸くんが保健室に顔を出す。
寒いせいか、鼻の頭が赤い。
「うん、お疲れさま。寒いよね?赤くなってる」
真幸くんの鼻に触れると、ひんやり冷たい。
「寒い寒い。えい」
「うや!?っーー!」
おかえしなのか、真幸くんは両手であたしの頬を包んだ。
「えい」とか可愛い。
確かに、肌に感じる手の温度は冷たい。
のに、
「先輩のが赤いじゃん」
当たり前。こんなことされてるんだから。
「よし、今日もほどよくいじめたところで、本当に帰ろ」
「いじめてたんだ……」
天然行動じゃなく、自覚あったんだ。
こんな時は、全然年上扱いされないんだけどな……。
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