6th*secret love.-2-2-2

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引き戸を開けて中に入ると、一層スープの香りが増す。 混むと待たなきゃいけないと言われるだけあって、ちゃんと待ってる人用の長椅子が設置されてある。 店のなかは10席ほど。カウンター席のみ。 まだ12時前だからか、席が3つ空いていて、並ぶことなく座れそう。 「先輩、なんにするー?ここは奢ります」 「えっ、そんな……」 「オススメは、チャーシュー」 「そんな、悪いよ……」 「悪くない、旨いから。じゃーチャーシューふたつね」 そういう意味で言ったんじゃなくて……。 もうすぐ真幸くんの誕生日だというのに、奢ってもらうことになってしまった。 「ありがとう、ごちそうさま……」 「はいはーい」 真幸くんは上の空で聞きながら、入口近くの機械の前にお金を入れている。 ……自販機?店の中で?
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