6th*secret love.-2-2 #2

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深沢先生にあいさつをして保健室を出て、駐輪所に。 「さっむー。あれ、鍵鍵ー、チャリのー」 ひとりごとを言いながら、真幸くんが制服のポケットを探る。 冬は、昼も寒いけど、やっぱり夜の寒さは段違い。 雪は降っていないけど、道路は凍みている。 こんなところで転んだら危ないな……。 「あった」 鍵を見つけ、 「そうだ、本屋寄っていい?64巻出てるか、見たい」 「うん」 真幸くんが慣れた手つきで鍵あけをする。 64巻っていうと、健太くんと話していた漫画のことだろうな。 本屋……、沙柚ちゃんと出会ったのも、そこだった。 あの時は、必死に生徒手帳を探しに来たんだったよね。 まさか、“大事なもの”が、映画の半券だなんて、思いもしなかった。 「“トンネルの惨劇”って、沙柚ちゃんも行ったんだね」 変に疑ったままでいるのは嫌だから、直接聞く。 「え?あー、野球部ですからね。でも本当は、あいつは乗り気じゃなかったかも」 「なんで?」 沙柚ちゃんがホラー好きなことは、図書館で観ていたパソコンの動画で証明された。 ホラー映画を観に行くのに、乗り気じゃない理由って……。 「映画の後から、更に性格キツくなったし。ほら、乗って」 「うん……」 すでに運転席に座っている真幸くんの体に、腕を回す。
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