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「沙柚ちゃん」
「へい?」
返事はしてくれたけど、沙柚ちゃんの視線は雑誌にくぎづけ。
「姉さん、見て見て。このゆなちー可愛くないすか?」
「あ、うん、本当だね」
……じゃ、なくて。
「この目ぇでかすぎですよ。ズルいなー、メザイクかな?」
「沙柚ちゃん」
「お?」
一度ごくりと飲み込んで、
「本当に、真幸くんのこと嫌い?」
バサッ!と音を立てて、立ち読みしていた雑誌が床に落ちた。
「うお、や、やびゃあー。ううう売り物落としたー」
沙柚ちゃん、棒読み。
「も、もう、姉さんが変なこと言うから……」
真っ赤になった顔が見たのは、あたしの後ろの方。
振り向くと、そこには真幸くん。
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