6th*secret love.-2-2 #2

9/11
前へ
/35ページ
次へ
「先輩、64巻出てなかったや。あれ、またさやいるし」 しまった。こんな時に、鉢合わせ。 「なんでまだ、さやって呼ぶの……」 それは、小さな涙声。 沙柚ちゃんは、拾った雑誌を真幸くんの胸にバン!と押しつけ、本屋の出口へ走っていった。 「あっ、さ、沙柚ちゃん……!」 キョトンとする真幸くんに、アイコンタクトで「沙柚ちゃんを追いかける」と伝え、あたしも出口へ。 自動ドアを抜けると、 「あああああー!」 「!?」 おたけびが聞こえ、その発生源は、ほんの2メートルほど先。 ツルツルの道路に足を滑らせた沙柚ちゃんが、しりもちをついている。 「沙柚ちゃん!大丈夫!?」 「やー!!やだやだー!受験生なのに、滑って転んだ!すすす滑ったー!」 思ったより元気そうで安心。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

114人が本棚に入れています
本棚に追加