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6th*secret love.-2-2-2-2 #2
「手ぇ出したとか……っ!」
沙柚ちゃんは真っ赤になって、震え、
「っ……ー!」
何とか堪えたみたいで、踏みとどまる。
「……姉さんがかわいそうだ……」
「なんで」
「相手が久我先輩だからです」
真幸くんは、首をかしげ、もう一度。
「なんで」
「もういいっす」
沙柚ちゃんは、呆れたようにため息をついて、体勢を整える。
「久我先輩、うちね、先輩に言ってないことがあるの……」
ドキッと心臓が怯える。
告白……?
今、言うのかもしれない。
だとしたら、この気持ちは、当人同士以外が知ってはいけないもの。
彼女だからって、全てを知ってはいけないと思うから。
本当に、どこかに行かなくちゃ……。
そわそわ、キョロキョロと、目をさ迷わせる。
すると、
「ごめんなさい」
沙柚ちゃんの声で、予想外の言葉。
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