Last*眠り姫のひみつごと。-2

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具合が悪くて来たはずの保健室だったのに、今の出来事のおかげで、どこかに飛んでいってしまったみたい。 起き上がって、座ってグラウンドの真幸くんを見てよう。 ……グラウンド? 「あっ、真幸くん、部活は――」 ハッとして、グラウンドを見る。 全員ではないけど、野球部員が集まりだしている。 このベッドには、窓を隠すカーテンがない。 窓に付いているブラインドは、今は意味を成していない。 グラウンドにいる数名で、こっちに注目している人はいないけど……。 「……み、見られた?」 声が震える。 「え、どうだろ。後で聞いてみる」 「だっ、だめ!」 マイペースに、なんてことを言ってくれるんだろう。 真幸くんは何で平気なの? 「……隠れたい……」 今さら隠れたところで、意味はないのだけど。 「マジ?じゃあ、おわびに隠してあげる」 「っあ……」 ふたりでベッドに座って、あたしは真幸くんの腕に抱き締められている。 隠すっていうか、確かにあたしからは何も見えないけど。 さっきは、あんなに男らしかったのに、今はすっかりいつもの真幸くん。 どっちにしろ、ドキドキさせられる。 本当に、ズルいと思う。
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