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年上なのに、どうしてあたしはこんなに頼りないんだろう。
気にしなくていいって分かっていても、ふとしたときに感じてしまう。
あたしのダメなところのひとつだなって思う。
「真幸くんごめんね。本当にもう大丈夫だから」
「…………」
あれ?
無言で、動かない。
「真幸くん……?」
今度は、真幸くんは手を離す。
さっきのは、声が聞こえなかったのかも。
と、思ったら、
「え」
ぐるんっと、景色が回る。
それは、すぐに見覚えのあるものに変わる。
保健室の天井。
……なんで天井?
天井よりも近いのは、真幸くんの顔。全身。
手は動かない。両手共につかまれているから。
背中に、ふかふかの……ベッド。
ベッド?
「せっかくだから、もっと色々しておこうかと思って」
にっこりと可愛い笑顔を見せて、とんでもないことを言われた。
せっかくって、何が?
色々って、どういうの?
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