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「元気いっぱいな奴が、具合悪い子に手を出すな!」
「いででででっ」
先生が、真幸くんの左耳をつまんで引っ張って、ベッドから引きずり落とす。
「具合悪いときに手ぇ出しちゃダメなら、いつ手出したらいいんですか」
「久我ー!」
「いーっ、いったい、いったいって!」
先生は、ついに真幸くんの両耳を引っ張る。
「せ、先生、違うの、無理矢理されてたんじゃないの」
あたしは慌ててベッドからおりて、止めに入る。
先生は、真幸くんからパッと手を離す。
「もう。中倉さんも、嫌なときには嫌って言いなさいって、前に言ったでしょ」
先生はあたしに向き直って、ため息をつく。
内山くんは、先生がいつも座っている椅子に座った。
「嫌なとき?」
「そうよ。久我くんみたいなのは、殴りでもしないと分かんないんだから」
「暴力教師ー」
真幸くんは唇をとがらせて抗議。
「黙りなさい」
それを先生は一蹴。
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