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「先生……」
「なぁに?」
前から思っていたけど、深沢先生は女子に本当に優しい。
結局バレてしまったのに。
「あの……、嫌じゃないときは……どうしたらいいですか……」
先生は目を丸くする。
しまった。変なこと言った。
「えー……と、嫌じゃないとき?は……」
先生の目が泳ぐ。
気まずい。
「……保健室ではやっちゃだめ」
「なっ、何もしてないです!」
“何も”は、さすがに嘘だけど。
したのは、キスだけ。
……違う。
“だけ”なんて、軽いものじゃない。
「……な、なにもしてない……」
あたしは、ここで赤くなるからダメなんだと思う。
顔色のせいで、言葉に真実味がなくなる。
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