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先生は、真幸くんの胸ぐらをつかむ。
「久我、あんた何した」
「せっ、先生!違うの」
慌てるあたしに反して、真幸くんは平常心。
「何考えてんですか。せーんせーいのエッチー」
オリジナルの歌を歌う余裕もあるみたい。
微妙に音痴……。
「エッチっちーっ」
なぜか内山くんも乗ってきた。
先生はにっこりと笑って、
「ふたりとも、蹴り出すわよ」
笑顔に似合わない声を出した。
言われていないあたしが一番怯えているという、この状況はどういうことなんだろう。
「はーい。じゃあ、蹴り出される前に部活行くー」
真幸くんは、先生に笑いながら、あたしの頭に手をぽんっと置く。
そして、あたしの耳に顔を近づけて、囁いた。
「続き、ちゃんともらうから」
「っ……!!」
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