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耳が妙にそわそわして、囁かれた耳を両手で押さえる。
こ、こっちだけ熱い……!
「真幸くん!」
「部活するから見ててー」
真幸くんは背中を向け、右手をひらひら振りながら、保健室から出ていった。
恐る恐る先生と内山くんを交互に見る。
「……聞こえた?」
「何が?」
先生が首を傾げる。
よかった。
さっきの耳打ちは、あたしにしか聞こえてないみたい。
とりあえず、ひとつだけ安心。
「……中倉さん、嫌じゃなくても、場所考えてね……」
こっちの問題は残っているけど。
先生が目を合わせてくれない。
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