Last*眠り姫のひみつごと。 #2

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「ち、違……っくて、眠り姫……」 「眠り姫?」 「ま、真幸くんに、眠り姫って呼ばれる夢……」 とっさに出たのは、嘘ではないけど正しくもない。 これだと、眠り姫って呼んでほしいみたいに聞こえる。 「ああー、それ」 真幸くんは、何か思い当たることがあるらしく、声を上げる。 「俺が、寝てる間に「眠り姫」って言ったから?」 「え……」 寝てる間っていうのは、さっきのこと? 目覚めた今では、もうほとんど忘れかけてしまった夢の内容を思い出そうと頑張る。 「……“眠り姫って、キスしたら目を覚ます”……?」 夢の中で“久我くん”が言ったのは、確かこんな言葉だったと思う。 すると、 「あれ、聞こえてた?それ」 「っんん……っ?」 真幸くんが、あたしのあごに手をかけて、唇を親指で押す。
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