Last*眠り姫のひみつごと。-2

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あたしは窓際に行って、窓を開ける。 「っ!」 冷たい風が吹き込んできて、身が震えた。 「さっきまで具合悪かったのに、また風邪引いちゃうわよー?」 先生が内山くんのそばに座る。 「ご、ごめんなさい……」 窓を開けても平気だなんて勘違いしたのは、さっきまで夏の夢を見ていたからかな。 “今”の真幸くんを、いっぱい確認したはずだったのに。 窓を閉めようとしたら、 「っ、真幸くん!」 グラウンドに野球のユニフォーム姿がまたひとり増えて、手を振ってくれた。 あたしも振り返す。 「もう着替えたんだ。あいつ早いねー」 先生の、呆れるような感心するような声と共に、プチっと小さな破裂音。紙パックのジュースにストローを刺した音。 「緋芽ちゃんも視力いいねぇー」 そして、いつもの調子で、内山くん。 あたしは、まだ内山くんの顔をじっくり見れないくらい気まずいのだけど、本人はそんなに気にしていないみたい。 今も、先生と同じポーズでストローに口を付けている。 仲良し……。
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