Last*眠り姫のひみつごと。 #2

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あたしは、たまらず真幸くんから目を逸らす。 顔を見ていたら、どうしても唇に目がいってしまうから。 この時の真幸くんは、どんな表情をしていたんだろう。 あたしは目を逸らしたのに、頬をつかまれてまた強制的に戻された。 「眠り姫って呼ばれる夢だっけ?」 嫌な予感がする。 正面に見える顔、笑ってるから。 「……そう……だけど」 「何で、夢の俺は眠り姫って呼んだの?」 「え……」 何でって、それは……。 “眠り姫は、キスで目覚めるから”。 「あっ……」 言っちゃった、さっき。 これじゃ、夢でもキスしてたって、言ってるようなもの。 「本当は、どんな夢?」 「そ、それは……っ、や、待っ……!近い……」 近づくから、顔を伏せる。 それに意味なんてないのだけど。 「せ、先生が……」 「俺が来たときから、いなかった」 だから、さっきからカーテンの向こうが何も反応なかったんだ。 「ほら、言って。……何してほしい?」 「や、やだ……」 「何が嫌なんだよ」 「っ、……ん」 額と額が、こつんと当たる。
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