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「貴様、このリア充が。“まさくん”のくせに生意気だな」
お兄さんが、舌打ちをする。
「まさくんって言うな」
真幸くんは、あたしが初めて家に行ったときと同じ反応を見せる。
お母さんからのその呼び名、あまり好きじゃないみたい。
お兄さんは、真幸くんに近づいて、
「いいじゃねーか、“くん”付いてるだけ、まだ。俺なんか“きりちゃん”なんだからな」
「いいい!いったいって!兄ちゃん!」
首に腕を回し、プロレス技をかけ始めた。
病室でまさかの。
「お前まで“ちゃん”付けで呼ぶな。お兄様って言え。おらおらおら」
「絶対やだ!いててててっ」
先生と綿貫くんは、ポカーン。
健太くんは見慣れてるのかもしれない。呆れたようにため息。
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