Last*眠り姫のひみつごと。-2-2 #2

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涙が伝って、あごの下からどんどん大粒の滴が落ちる。 「なんで泣いてんの?やっぱりケガした?俺……、守れてない?」 「ううん、ううん」 あたしは、頭をぶんぶんと左右に振る。 まだ止まらない涙が、粒になって回りに散る。 守ってくれたよ。 あたしの分の傷を負ってまで。 「嬉しいだけ……。真幸くんが、ここにいるから……」 「変なのー。ずっと側にいたのに」 まだ眠いのか、真幸くんは目をこすって笑う。 きっと、あたしを助けた後から、目を覚ますまでの記憶がないのだろう。 「……そうだね。ずっと……側にいた」 いるよ、側に。 今も。これからも。 いいよね? 真幸くんは、最後に目を細めてにっこり笑い、また眠りに落ちていった。 「……真幸くん?」 返事はない。 「また寝ちゃったの?」 届くのは、規則正しい呼吸。 「……おやすみなさい」 布団から出ている真幸くんの片手をとって、布団に戻そうとしたら、逆にあたしの方が手をつかまれた。
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