Last*眠り姫のひみつごと。-2-2 #2

5/24
109人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「あ、あれっ?」 繋がれた手をほどこうとしても、寝ている人の力だとは思えないほどに、力強い。 布団から出たままだと、こっちの手だけ冷たくなってしまうのに。 ……あたしが両手で握って暖めていれば、大丈夫かも? もう片方の手も、真幸くんの手にそっと添えてみる。 骨張っていて、ゴツゴツしている。 長い指。 形が整った、綺麗な爪。部活のまま来ちゃったから、砂が挟まっている。 人差し指で、手の甲をなぞると、 「んんー……」 眉を歪めて、不機嫌そうに身をよじられた。 不快だったかな……。やめよう。 手を気にするのはやめて、寝顔に目を移す。 寝ている時の方が、緊張しないで、いくらでも見られるから助かる。 左頬に砂がついているのを見つけた。 もう乾いている。 近づいて、頬をこすると、 「真幸ー。ケガ大丈夫か」 このタイミングで、3人目の来客。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!