Last*眠り姫のひみつごと。-2-2 #2

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あたしは、ちょうど扉に背を向けていて。 そんな人が、ベッドに顔を近づけていたら……、どう見える? 「あ、やべ、お邪魔?」 ……やっぱりそうなった。 あたしは急いで振り向いて、相手を確認。 そこにいるのは、見たことがない人。知らない人。 初対面なのに、他人みたいな気がしないのは、顔が真幸くんに似ているから。 紺色のスーツを身に付けていて、胸元のネクタイは緩み気味。 髪の毛は、綺麗な栗色。 真幸くんに似てはいるけど、大人っぽい。20歳くらい? 社会人になったら、真幸くんもこんな感じになるのかな。 見たい……。 この人は、多分、さっき日下先生が言っていた、真幸くんのお兄さん。 「こっ、こんにちは!あたし――」 立ち上がってあいさつをしようとしたけど、手をつかまれていたことを軽く忘れていた。 結局立てず、座ることに。 座ってあいさつって、失礼? 「こんにちは。俺、それの兄ちゃん」 真幸くんのお兄さんは、真幸くんを「それ」呼ばわりして、指を指す。 あたしのあいさつは、そんなに気にしてなさそう。 「緋芽ちゃん?だっけ?うざいなら、その手、引き剥がしてもいいよ」 「え!?しません!」 本気で答えたら、クスクス笑われてしまった。 あ、冗談……。 笑った顔まで似ていて、ドキっとする。
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