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名前を知ってるってことは、真幸くんはお家の人にあたしの話もしてるってことだよね。
どんな話題にしてるんだろう。気になる……。
「いいなー、セーラー服の彼女」
「……」
冗談っぽいことを平気で言うところも、似てる。
セーラー服なのは、学校の制服だからなんだけど。
「ただ寝てるだけって、マジ?」
「はい。でも、さっき一瞬起きましたよ」
「そっか。まぁ、完徹すりゃあ、眠いだろうね。バカだねー」
「完徹……?」
徹夜?夜中ずっと起きてたってこと?
「真幸くん、寝てないんですか?」
お兄さんは、あたしの横にパイプ椅子を置いて、座る。
「緋芽ちゃん?だよね」
「はい」
「緋芽ちゃんさ、夜、こいつにメール送んなかった?」
「メール……?あ、送りました……けど……」
思い当たるのは、午前0時のメール。
内容は、『誕生日おめでとう』。
今日会えることは分かっていたけど、日付が変わると同時に祝いたくて。
「あの、誕生日だから、「おめでとう」って」
本当は、メールだけじゃなくて、ちゃんと口で言いたいんだけど、それはまだ。
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