Last*眠り姫のひみつごと。-2-2-2-2-2

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「こっからチューすんの、やりづらい。もっと伸ばす」 「…………」 ここからしなければいいってだけの話なのでは……? 「1年以内に伸ばさないとなー。来年は、緋芽もういないから」 耳のすぐそばでしみじみと言われたから、鼓膜にダイレクトに届く。 胸がちくりと痛む。 改めて思うと、寂しくなる。 ただでさえ学校を休みがちなあたしだから、学年が違う彼と会える時間は本当に少ない。 そっと体を離し、まるであたしの気持ちを感じ取ったように、真幸くんが明るく言う。 「俺、ちゃんとレギュラーになれるように頑張る。緋芽がここから見てるうちに、絶対」 「うん」 あたしは目を細め、口角を上げて、目を閉じた。 まぶたの裏に描かれるのは、野球のユニフォームに身を包んだ君の姿。 いつかのように、バットを振って、ホームランを打ち出している。 きっと、叶うよ。
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