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「お父様とそんな話しないもん……」
「じゃあどんな話してんだ」
むくれる乙華ちゃんに、篠田くんが面倒くさそうに聞く。
篠田くんって、こんな感じだったっけ?
「えーと、昨日はね、オムライスおいしいって言ってた!」
「よかったなー。お前、玉子料理ばっかだもんなー」
「ほ、他にも作れます!」
「例えば?」
「…………サラダ」
篠田くんが、乙華ちゃんの頭をなでなで。
途中で声をかけようかとも思っていたのだけど、完全にお邪魔になってしまうから、やめた。
3年生用の下駄箱に行って、すでに貼られている自分の名前のシールの場所に靴を入れる。
上履きを履くと、
「緋芽ーっ!」
用事があるからと先に登校していたあやめが、下駄箱のすぐそばの廊下で待っていた。
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