128人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺も腹減った。なんか外に食べ行こー」
いつもの笑顔だ……。
「うん……」
ホッとして、あたしもつられて笑顔になる。
さっきまでの真幸くんはかっこよくてドキドキするけど、やっぱり……笑顔が一番好き。
この笑顔が見たくて、毎日保健室から見てたんだから。
「ってか、シャワーだっけ。連れてってあげる」
「あ、……やっ!?」
ふわりと体が浮く。
迷うことなくお姫さま抱っこをして、真幸くんは軽々と歩いていく。
足を使って雑に扉を開け、部屋を出る。
「あっ、歩ける!歩けるから!」
「さっき痛くて立てないって言ったじゃん」
「平気!平気だから!」
体重が!
「どうせ俺も同じとこ行くんだから、一緒に行ったほうが効率いいよ」
「お、同じとこ……?」
それは、つまり?
真幸くんの腕の中で、あたしはカチコチにかたまる。
そんな様子に気付いたのか、真幸くんは、
「大丈夫。何もしないから」
すごく可愛くて、誠実そうな笑顔で言ったけど……。
……嘘だった。
最初のコメントを投稿しよう!