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「あう……」
「どうしたの、中倉さん、疲れてるわね」
次の日、あたしは朝から保健室を訪れ、椅子に座ってぐったり。
深沢先生が、苦笑いで体温計をくれた。
具合が悪いのだと勘違いさせてしまったらしい。
一応受け取って、脇に挟む。
「久我くん、どう?」
「ど、どう?って……、えっと……」
一瞬で、昨日の記憶を脳内が見せてくる。
どうもこうも、こんな話を出来るわけがない。
「何もしない」って言ったのに、嘘つかれた。
……無理無理無理。言えない、言えない。
どうしようかと、押し黙っていると、
「やだ、怪我そんなにひどいの?言えないくらい?」
先生が聞いていたのは、そっちだった。
……当たり前。
またあたしは、何を変なことを考えているのか……。
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