Last*眠り姫のひみつごと。-2-2-2-2 #2

6/13
前へ
/35ページ
次へ
「久我くん、部活できないもんね。ふたりで、結構ゆっくりできたんじゃない?」 「ううん、全速力……」 「えっ!?走ったの!?」 「あっ!違う違う!」 しまった。変なことを口走るところだった。 そこで、脇に挟んだ体温計が鳴って、ちょうどよく話題の切り替え。 助かった。 「何度ある?」 取り出して、見ると、 「36.7℃……かな」 「平熱ね。よかった」 先生が、あたしから体温計を受け取り、救急箱にしまった。 グラウンドを見る。 頭の怪我のこともあるし、今日はグラウンド……来ないのかも。 早く治るといいな。 朝のホームルームが始まる前に、教室に戻らなきゃ。 そろそろ保健室から出ようかな。 そんなふうに思っていると、バタバタと忙(せわ)しない足音が聞こえてきて、それはどんどん保健室に近づいてくる。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

128人が本棚に入れています
本棚に追加