128人が本棚に入れています
本棚に追加
「おはよう。頭、痛い?」
「んーん、全然」
「よかった……」
今日はグラウンドじゃなく、直接保健室に来たから、辛いのかなって思っていたから。
病院で言われた、「1週間くらいは安静に」って診断を、守っているみたい。
真幸くんが、あたしの耳に顔を近付ける。
先生がいるから、ないしょ話?
「緋芽は?もう……痛くない?」
「っ!!」
なんてことを言ってくれるのか。
笑ってるけど、意地悪な笑顔だし。
絶対わざとだ。
先生に聞かれていなかったかと、傍を見ると、……いない?
いつの間にか、自分の机に移動していた。
先生に、こんな状況に慣れられている。
「ん?痛いの?」
真幸くん、そういうの、絶対あたしの口から言わせたがる。
「い、痛くない……っ」
「この絆創膏、なに?」
「!」
先生に指摘されないから安心していた、首筋に貼った絆創膏を、つんつんと指で突かれる。
「ま、真幸くんがつけたの!バンソコ使わないと隠れないんだから……」
「その“バンソコ”って言うの、可愛い」
「ー……っ!!」
初めて話したときと、同じことを言うのはズルい。
最初のコメントを投稿しよう!