Last*眠り姫のひみつごと。-2-2-2-2 #2

9/13
前へ
/35ページ
次へ
反撃するのを諦める。 勝てないの、知ってるし。 「……バンソコ、目立つ?」 そんなふうに、笑ってつんつん突かれると、気になる。 朝、鏡で確認したときは、そんなでもないと思ったんだけどな……。 「んー、もうちょい、こう……襟を上げれば、見えなくなるかも」 真幸くんが、あたしのセーラー服の襟を摘み上げる。 その時、左腕の袖からちらりと見えたのは、あたしがプレゼントした、腕時計。 使ってくれてる。 嬉しい……。 じーんと感動。 いいな、こういうの。 と、こんなふうに違うことを考えていると、 「ピンク?」 襟を摘んだついでに、見えてしまったらしい。 一気に血が顔に集まってきて、泣きたいくらいに恥ずかしくて、 「まっ……、真幸くん!」 叫ぶと同時に、チャイムが鳴った。 「あっ、職員室行かなくちゃー」 先生は動じることなく、のんびりと席を立った。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

128人が本棚に入れています
本棚に追加