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「何で俺を避けるんだ」
「別に……避けてない」
思い当たる事がある後ろめたさから、俯いて床を見つめる。
「言いたい事があるならハッキリ言え」
ハッキリ?
俺の口から『終わりにしよう』って言わせたいのか?
お前を好きだと思ってる俺に?
「またそうやって諦めるつもりなのか?」
「な、に……」
「欲しいなら欲しいって言えよ。頼むから……」
悲痛な声に顔をゆっくりと上げると、岡田は眉をひそめ、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
「いっ……言える訳ないだろっ! だってお前っ、お前には……彼女が……」
「……彼女?」
「結婚……するんだろ。だったらもう俺とは……」
泣き出したいのは俺の方だ。
そんな悔しさを籠めて岡田を睨み付けたが、何故か岡田は首を傾げている。
「彼女が結婚するのに、お前が関係あるのか?」
「あるだろ!」
「女友達の彼女が?」
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