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「……帰るの?」
行為が終わると、アイツはいつもすぐにシャワーを浴びて着替える。
泊まっていった事なんか、一度だって無い。
「悪いな、部屋を空けてられなくて」
未だ裸のままでベッドに横たわる俺の傍に歩み寄り、ネクタイを指で直してから俺の頭をそっと撫でた。
何で謝るんだよ。
だったら最初から俺に手を出さなきゃいいんだ。
部屋で、彼女が待ってるんだろ?
同僚であり俺を抱いたこの男、岡田。
身体だけの付き合いが始まったのは、酔った勢いとしか言えない。
営業の仕事をしている岡田と俺は、大きな契約が決まったお祝いだとチームリーダーの島田さんに飲みに誘われた。
島田さんの奢りだと言うから少し飲み過ぎた俺がトイレに立つと、後から岡田もやってきて。
『そんな物欲しそうな目で見るなよ』
挑発的な目で訳の解らない事を言われて、その場でキスをされた。
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