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こ、殺されるのは勘弁だ――、ここは頷いておこうと、コクコクと首を縦に動かした。
「いい子♪」
よしよしと私の頭を撫でるコージ。なんか……、子供扱い? されてるような……
満足げに笑ったコージが、私から離れてソファに座りなおした。今度は正面ではなく、隣に、ね……
「とりあえず、飲んだら?」
先程、コージが入れてくれたアイスコーヒーを進められて、私は喉がカラカラだったことにようやく気が付いた。体温上がり過ぎじゃない?私……顔を手で数回、仰いでから、コクリと一口。冷たい液体がのどを潤していく。ホッと一息ついて、ようやく心が落ち着いた。
そんな私を見ていたコージも、ゴクリとコーヒーを飲み、テーブルにグラスを置いて、身体ごと正面に私に向き直ると、
「実尋」
私の名前を呼んだ瞬間、なんだか空気が変わった気がした。
視線をあげると、真っ直ぐに私を見ているコージ。
「話があるんだ……全部、ちゃんと話すから……長くなるけど、聞いてくれる?」
そう告げたコージの瞳は、もう笑っていなくて、私はゴクリと唾を飲み込んだ……
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