第1章

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聞きたいことはいっぱいある。でも今、一番聞きたいことは…… 「なら……どうして?」 私の声はかすかに震えていた。 「ん?」 「どうして気が変わったの?」 頑なに付き合えない――、そう言ったコージの気持ちは、何故、変わったのだろうか……? どうしてそうなったのか――、それがわからないことには、私はコージを信じきれないような気がした。 「どうしてって……」 「私が矢島君とデートしようとしたから?」 コージの言葉にかぶせるようにして、私は捲し立てた。 「私が矢島君と付き合うかもと思ったから?」 「……」 コージは、何も言ってはくれない。 「でも、矢島君と付き合っても、結局、社内恋愛だよね? なら、自分とだって同じだと思ったってこと?」 なんかズルイ――、そう思った。 さっきは好きって言われて、それだけで嬉しくて舞い上がったけど、だって、コージが迷った問題点は何も解決してないよね? なら、またいつフラれるかわからないじゃん、そう思ったら急に怖くなった。 ” 俺と付き合って ” その言葉は嬉しかったけど、そう簡単には信じられないくらいに、私は傷ついていた…… もう傷つきたくない、 これ以上、傷つけられたら、もう立ち直れそうにないよ……
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