第1章

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それからしばらく、会話らしい会話もないまま……、車は走り続け……どこかの駐車場に静かに停止した。 エンジンを切ったコージが先に車を降りて、助手席側に回り、ドアを開けてくれた。 「降りて……」 と一言。言われるままに降りると……目の前に大きな高層マンション。 えっ? 何? ここ…… 「行くよ」 そう言って、当たり前のように繋がれた手。 「あっ……」 スタスタと自動ドアを抜け、広々としたエントランスを歩く。私は引っ張られるままに付いていくしかなくて――、再度突き当たったガラスのドアの前、ポケットから出した鍵で、ロックを手慣れた手つきで解除する。 えっ? まさか……目を丸くした私。 「あっ、あのぅ…ここって……」 おずおずと声をかける私に、ニィッとコージは口角をあげた。 「ここ? 俺んち♪」 や、やっぱり?!
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