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しばしの熱い抱擁のあと、ゆっくりと離された身体。
人、一人分の距離を開けて、私とコージが見つめあう。
「怒ってる?」
少しだけ小首を傾げ、いつもより少し幼く見える髪型で、コージが私の反応を窺っていた。フルフルと首をふる私。
「よかった……」
安堵の笑顔を浮かべ、
「とりあえず、玄関だし……ごめん、中はいろっか、コーヒー入れるよ、アイスでいい?」
「あっ、はい……」
「じゃぁ、こっち」
真っ直ぐに伸びた廊下をついてくるように促され、正面の扉が開かれると……そこはモノトーンで統一された、広々としたリビングが広がっていた。
「わぁ……」
思わず漏れた、私の感嘆の声。綺麗に整理整頓されている。
「そこ、座って待ってて」
そう言って、コージはキッチンらしき場所へと消えた。
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