第1章

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初めて入った男の人の部屋。男友達だってまともにいない私にとっては、もう完全に未知の世界。まぁ、兄はいるけれど……兄は論外だし、 いろんなことが初めてで……ソワソワしてしまい、ついあちこちキョロキョロしてしまう。おそるおそる座ったソファは、驚くほどのふかふかで、思わず二度見してしまった。 その間抜けな格好をコージに見られていなかったことに、小さく安堵して、 女子力なさ過ぎでしょ、と自分に突っ込んでみる。 チラリとキッチンの方へと視線を飛ばせば、コージがカチャカチャとグラスの用意をしていた。お茶飲みに来たわけじゃないんだけどなぁ…… 本当はそんなことより聞きたいことがいっぱいある。でも、せっかく用意してくれてるのに、そんなこと言えるわけもなくて…… はぁ~、視界から締め出して溜息をついた。 ん? 視界に入ったあるものに気がついて、パチパチと瞬きをする。なに、あれ?
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