ウ・テ・ル・ス

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 真奈美はその日の配送を出来るだけ早く終えようと走り回った。 そのお陰で、 アポロンから貰った名刺が示されている住所へ、 そう遅くない時間にたどり着くことができた。 しかし、 ここで彼女はドアフォンを押すのを躊躇している。 港区の一等地にそのオフィスはあったのだが、 あまりにも近代的にデザインされたその門構えに、 気後れしているのだ。
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