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「あぁ…君は女性か。
」
「失礼な…。
」
「それなら納得だ。
一緒に中に入ろう。
」
男は慣れた手つきでセキュリティ・ナンバーを入力すると、
ドアを開けて真奈美を中へ導いて行った。
ロビーは、
乳濁の白と艶消しの黒のタイルが直線的に組み合わされた壁面と床面で構成され、
最小限の家具と象徴的な植栽だけが配置されている。
そんなシンプルなデザインに加え室内のすべての灯りが間接照明であることも手伝って、
その空間はあまりにも静的で、
ここだけ時間が止まっているようだ。
男はレセプションカウンターに置かれた電話を取った。
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