ウ・テ・ル・ス

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 真奈美の抗議に男はかまわず電話を続ける。 「えっ、 いいんですか?…わかりました。 自分は倶楽部に向います。 」 男は受話器を置くと、 真奈美に向き直った。 「そのエレベーターで3階へあがると、 出たところがいきなり社長室だから…。 ひとりで行けるよな。 」 「ええ、 まあ…。 」  男は、 真奈美をエレベーターに誘導すると、 自らのIDカードを差し込み3階のボタンを押す。 自分はエレベーターの外に出た。 一度は閉まりかかったドアであるが、 男は思い返したように無理やり腕を通し、 ドアを開けた。 驚く真奈美に、 男は首を傾げながら言った。
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