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「それに、
この髪に…この肌…。
いくら肉体労働だとは言え、
無関心過ぎないか。
」
ついにアポロンは、
真奈美の髪を指でつまむぐらいの距離までやって来た。
真奈美は男の『香り』というものを初めて五感に感じた。
それは『匂い』という鼻に着きそうな雑なレベルのものではない。
身体が包まれるように感じる繊細で柔らかなものだった。
真奈美は落ちそうな自分に慌てて鞭を打った。
「仕事終わりで急いできたもので…不快にさせてすみません。
でも、
家に着替えに帰っても、
結局ご期待には沿えないかと…。
」
アポロンはしばらく腕組みをして真奈美を見つめていが、
やがてデスクに戻り上着を引っ掛けると彼女の腕を取った。
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