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「ついでもあるから、
これから自分が行く。
」
「社長が?…珍しい。
」
秋良は返事もせず電話を切ると、
室内照明のすべてのスイッチを入れた。
「ショウタイムは終わりだ。
」
ベッドに横たわる全裸の女が、
眩しそうに眼を瞬いた。
真奈美は、
顔を含む身体の部分ひとつひとつのどれをとっても、
男が見とれるほどの麗しい作りではない。
しかし、
学生時代からバスケットで鍛えた身体は、
全体のシルエットで見ると、
とても均整のとれた美しいプロポーションを呈している。
こんな失礼な言い方を許してもらえるなら、
後ろ姿に見惚れた男達が、
その容姿を確認したいがために、
足早に歩いて前にまわり、
ちょっとがっかりしてそのまま歩調を緩めず歩き去っていくタイプの女性なのだ。
ゴージャスと言うよりはアスリートで、
学生時代に鍛えられたその恵まれた身体は今では、
家族を支えるために一心に働くことに、
いかんなく発揮されている。
高校三年の時に、
事業に失敗して亡くなった父の負債を背負い、
病身の母を看護し、
まだ学生の妹の面倒をみる。
まさにドラマのごとく、
泥沼にあえぐ悲運の主人公そのままの彼女だが、
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