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「ただいま。
」
「ああ、
お姉ちゃん。
今、
外で…。
」
「大丈夫。
追い帰したから。
ところでミナミ、
お母さんの病院に肌着を届けてくれた?」
「ええ、
届けたけど…。
今の男の人たちは…。
」
「ああ、
お腹が空いた。
ミナミもお腹空いたでしょ。
すぐご飯作るから、
待っててね。
」
真奈美は、
ミナミの問いを遮って台所に直行する。
そして余計な心配を妹にさせたくなくて、
話題を変えた。
「ところでミナミ。
安室のライブチケット取れたの?」
「今回もアウトね…ところで名前の呼び捨てはやめて。
ちゃんと安室さまと呼んでくれない。
」
「ハハ、
まるで宗教ね。
」
「違うわよ。
私はアーティストとして尊敬しているのよ。
5大ドームツアーはどれも、
チケット入手が至難の業なんだから…。
ああ、
わたしも安室さまみたいに、
ドームを一杯に出来るアーティストになりたい…。
」
「だめよ。
あんたはちゃんと大学行きなさい。
」
「大学行ってもお金がかかるばっかりだし…。
」
「ばかね、
アーティストになる方がよっぽどお金がかかるわよ。
歌と踊りのレッスン。
エステ、
それに…あなたの場合は、
美容整形の費用もばかにならない。
」
「お姉ちゃんの意地悪。
」
料理を作る湯気に包まれながら、
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