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「んん…ん」
十分に濡れそぼった場所にゆるりと何度か指を浅く侵入させては引いて入り口を撫でる。
ひくひくと無意識に疼いてさらなる刺激を求める体が、こわい。
私の顔はとても情けない表情になっているのだろう。
きっと複雑な感情と、足りない快楽の切なさが入り混じって眉は八の字を描いている。
至近距離で顔を見つめられては目を瞑るしかない。
倉坂さんは、キスが好きなのかな。
また、濃厚な口づけにうっとりしながら、今までの彼氏たちとはこんなに最中にキスしたことないことに気が付いた。
そして私が求めることもなかった。
ひたすら舌を奥まで絡ませて求めて吸い上げて、夢中になっている隙に、倉坂さんの指は私の中奥まで指を沈ませて内側の壁の感触を楽しむようにぐりぐりと押し上げてくる。
「…ぁぁっ ぁ、ぅん、ゃ、ぁ」
入り口のすぐ上辺りを強く押されて、四肢が跳ねる。
漏れる声がだんだん大きくなっていきそうで怖い。
ふるふると首を振って倉坂さんを見れば、優しく目を細めて軽く唇を合わせてくれた。
そして、一通り中をほぐした後、ずるりと指を入り口にひっかけるように抜きささった。
一々いやらしい動作に欲情と不安が広がる。
惚けた頭で倉坂さんを見つめると、履いてるデニムの前を寛げながら、妖艶に微笑んだ。
「舐めて?」
「…は、い」
自然に私の口は答えていた。
足元に跪いてグレーのボクサーパンツの上から優しく撫でる。
口でするのは、好きじゃなかった。
なんで男の人を喜ばせることを人によっては長時間しないといけないのか。
そんな事ばかりが浮かんで、覚めていく体にガッカリしていた。
でも、横柄な今までの私はなりを潜めて、今行われているこの行為にひらすら没頭している。
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