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情事後特有の気怠さの抱えた体を引きずって帰りついた部屋。
バッグを床に置いて、羽織っていたトレンチコートを脱ぎ捨てて、そのままのベッドに倒れこむ。
眠いと訴える体と興奮が覚め止まない頭。
さっきまで触れ合い、彼を受け入れてた体。
そして言い様のない、絶望感とわずかな期待が私の中を占めていく。
私にたいして好意がないはずない。
でもきっと、その他大勢の一人。
もしかしたら店内であんなことができる人だから、他にも?
3日間のうちに出会った女性客を思い出してぞくりと悪寒が走る。
そんなふしだらで、不誠実な人だと思いたくない。
曲がりなりにもお店の責任者。
それに…
さっきまで一緒にいた倉阪さんの顔を思い出して
胸が焦げるように熱くなる。
その熱で体が焼け落ちていくかのよう…
あの響くように耳に届く声
何もかも見透かすように鋭くまっすぐ見つめてくる瞳
呼吸が無意識に浅くなって、頬が火照る。
もう、
私は恋してしまっている。
触れられた温もりが決め手なんて
愚かかもしれない。
それでも私の心には今
その答え以外見つからなかった。
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